ウィンドウズ・アップデートってやった方がいいんでしょうか?実施すべきか否かの問題

当店でもよく質問される内容です

お客様対応をしている中でよく質問されるのは、
Q.『ウィンドウズアップデートって毎回出てくるんだけど、あれって実施しないといけないの?』
Q.『Windows Updateの表示が出ていても、いつも無視してインストールしていないんだけど、大丈夫よね?』

みたいな、ウィンドウズ・アップデート(Windows Update)に関する質問です。
一応教科書的な回答はあるんですけど、これってちゃんと考えるととても深い内容なので、順を追って説明しますね。


ここに記載した情報には誤りがない様努めておりますが、万が一情報に誤りがあった場合にはご容赦ください。ここの情報を利用する際はお客様の責任において利用してください。利用されたことによって生じるいかなる不利益も、当方では責任を負いかねます。

まずは教科書的な回答から

Windows Updateとは、そもそも

Windows Updateは、マイクロソフト社(Microsoft)が作成した修正プログラムを配布し更新する手段・仕組みです。利用されているOS(Windows、およびMicrosoft社が販売しているソフトウェア類)に不具合が見つかった場合に、Microsoftが対処し修正プログラムを作成します。そして、このUpdateの仕組みを通じて修正・改善されたプログラムを配布し、各人のパソコンで動作しているプログラムと差し替える作業のこと を、アップデート作業(Update)とか、アップデートしたなどと呼びます。ウィンドウズ系製品に対する更新なので、Windows Updateと呼ばれます。

似たような仕組みが他にもあります

パソコンメーカー各社が、自社で搭載したプログラムの不具合を修正し配布する手段も存在します。
国内勢では、NECが運営する『LAVIE update』、富士通(FCCL)が運営する『アップデートナビ』などが有名です。こちらはメーカー各社の責任においてインストールされているプログラムが更新の対象となり、Windows Updateとは別に行う必要があることも重要な点です。

Windows Updateは実施すべき

とてもシンプルに回答するとしたら、結論として『Windows Updateは実施すべき作業』となります。

ただし、下記に述べるようなノウハウを知っておくと、より安全にパソコンを利用できるのでぜひ知識として覚えておいてください。

過信は禁物!事前にデータのバックアップを!

Windows Updateは、おおげさに言うとOSの内部をごちゃごちゃといじる(修正する)こと なので、修正プログラムにミスがあった場合は、最悪、動かなくなることを想定してください。
『Microsoft社だってテストして配っているんだから、そんなことないだろ?』と仰る方もいらっしゃいますが、実際にこのような事例はもう何度も起こっていて、最近ではWindows 11の更新プログラムで適用したあとWindowsが起動しなくなる事象が起こったばかりです。(執筆は2023/07)

アップデートで被害を受けたくないなら・・・
大事なデータのバックアップをしたあとで、Windows Updateを実施するようにしてください。

アップデートは功罪ふたつのリスクを持ちます

確実に修正・改善だけが行われ、副作用がないのなら、修正プログラムが発表されたらすぐに適用(Update)すべきだとお伝えするところですが、過去の歴史を振り返ると、修正プログラムを適用したことで、今まで正しく動作していた機能が使えなくなったり、PCやウィンドウズ自体が起動しなくなったという不具合が発生したことがあります。

できることなら、以下の手順に従って『アップデートを実施するタイミング』についても意識して実施するようにしてください。

解説。【状況1】~【状況4】について

あなたが選んでいる方針や、実際に起こっている状況について適切か問題ありか、当店からできる限りのアドバイスを行います。参考にして頂き必要であればお近くの『パソコン修理店』にご相談ください。
【状況1】~【状況4】の中から、現時点のパソコンの状況と近い項目を参考にしてください。

特に【状況3】【状況4】は故障を示唆する状況であることが多いので注意が必要です。

【状況1】Windows Updateの通知が来たら更新作業をしている

基本的に一番良い選択肢ですが、実施のタイミングについては検討してください。
スピード感を持ちすぎて実施してしまうと、副作用の被害にあったり、一般の他の人よりも先に修正プログラムが届くようになってしまいます。

【1-a】更新が来たら、すぐに実施している

基本的には教科書通りの正しい選択です。ただし修正プログラムに悪い副作用があった場合にその被害に遭う可能性がありますので、お仕事などでメインで使っているパソコンで実施する場合は、慎重に実施するタイミングを検討してください。当店スタッフが推奨する選択肢は、【1-b】です。

【1-b】更新が来たら、少し時間を空けて実施している

セキュリティー上の不具合を直す修正で、速やかに実施してほしいと強調されている修正プログラムを除いて、それ以外の修正プログラムの場合は経験上24時間~48時間ほどタイミングを遅らせて実行するのが安全です。この遅らせる時間の意味は、世界中で修正プログラムの配信が始まり、いち早く修正プログラムを適用した方から不具合の報告がMicrosoft社に伝わり、Microsoft社が修正プログラムによる副作用だと認識して情報公開に至るまでの時間です。個人的な経験での数値ですが48時間くらいはかかっているようです。

【1-b’】機能更新プログラムの場合、もう少し猶予をもって対応を

【1-b】とほぼ同じ内容ですが、似ていることなので【1-b'】として記載します。
Windowsのバージョンが変わるような大規模な修正プログラム『機能更新プログラム』を適用する場合は、先に記した『1-b』のタイミングよりも十分な期間を空けて実施することを意識してください。機能更新プログラムは修正や機能追加の規模が大きく、通常サイズの修正プログラムよりも不具合が生じる可能性が高いためです。

【1-c】更新が無いか、設定メニューから探す操作をしている

『1-b』よりも率先して、修正プログラムが発表されていないかご自身で探しに行く(チェックする)という方がいらっしゃいます。最新の修正プログラムをいち早く体験するという意味でしたら正解なのですが、マイロクソフト社が実装している機能で、『新しい修正プログラムを探している方にはいち早く修正プログラムを提供する』というスケジューリングを操作する機能が実装されています。

Microsoft社からすれば、新しく発表した修正プログラムをいち早く試してフィードバック情報をいただける可能性があるので、修正がないかチェックされている方のパソコンは候補になりやすいです。

これを副作用と呼ぶかどうかは個人の見解として分かれますが、通常の発表スケジュールよりも早く、もしくは発表直後に修正プログラムを届けてくれるという機能は、裏を返せば『かなり早い段階で実験に参加させられる』という風にも取れます。周りの人が試されてから、自分も更新をしたいというご希望に近い方は、パソコン上で設定-WindowsUpdate にすすむ作業を頻繁に行うと、修正プログラムが早く届くようになるということは覚えておいて損はありません。

【状況2】Windows Updateの通知は出ているが無視して更新していない

昨今のWindows OSの品質から言えることは『一切の更新をせずにWindowsを利用し続けることはリスクの方が大きすぎる』ということです。以下に更新を実施できない理由について細分化して記載しましたので参考にしてください。

機能更新プログラムのような、内部バージョンが上がる更新の場合はウィンドウズ的には新しいバージョンに差し替わる意味を持つためサポートなどの権利が消失する場合があります。現行のルールではふたつ前のバージョンより古いウィンドウズについてはサポート対象から外されるので、以後の修正プログラムが提供されなくなります。最新バージョンである必要はありませんが、更新サポートを継続させたいならマイクロソフトが定める範囲のバージョンを利用する(そのバージョンまで更新させておく)必要があります。

【2-a】ご自身の考えや方針があって実施していない

本記事は、ご自身の見解があって実行されている方には該当するものではありません。

【2-b】インターネットへの接続環境がなく実施できない

パソコンを利用されている環境で、インターネットへの接続環境が揃っていない場合はアップデートを実施できません。特にバージョンが古くなりすぎてサポートが受けられなくなる可能性もありますので、年に数回は更新のためにインターネット環境に接続し、たまっている修正プログラムを一気に適用するなどの対応が必要になることをご検討ください。
当店でも『パソコン定期健診 (健康診断)』🔸 メニューなどで、Windows Updateの実施代行が承れます。

【2-c】どれがWindows Updateなのかよく判っていない

パソコン修理店などで、自分のパソコンがどのような状況か(最新にアップデートされているのかどうか)確認して頂いた方がよいかもしれません。

【状況3】Windows Updateを実施し更新しているが同じ更新が再表示される

アップデートが頻繁に行われる時期も存在しますが、毎日のように更新が表示されることは稀です。
ほぼ毎回のように更新中の表示がある場合は、パソコン修理店などで確認して頂くなど状況を把握しておいた方が良いと思います。

【状況4】Windows Updateの通知が出ていない

Windows Updateの頻度は時期により差はありますが、忙しい時でも週に数回、通常では月に数回、というのが一般的です。この記事で触れている『Windows Update』というもの自体が実施されている様子がない、という方はパソコン修理店など専門のところで確認してもらった方が良いです。

経験上、ウィンドウズアップデートが正しく動作していないパソコンは故障している可能性がきわめて高いです。

関連リンク

機能更新プログラムによりバージョンが替わり、サポートが切れるかどうかの判断情報があります。
関連する情報なので、興味があればご一読ください。
『Windows10 バージョン21H1が公開。旧バージョンのサポートについて』🔸