WindowsセキュリティとWindows Defenderの違い (ウィルス対策ソフト)

他店から持ち込まれるパソコンで気になる話題

当店では、購入したパソコンを利用出来るようにする初回設定(初期設定)を行うサービスを実施しており、当店での販売品はもちろん、他店様で購入されたパソコンも当店で初期設定を行うことが多いです。
初期設定でよく話題になる『ウィルス対策ソフト』をインストールする作業についてです。

他店で購入の場合、社外製のウィルス対策ソフトを持参される場合が多い

他店で購入された方で、あまりパソコンに詳しくないと仰る方の多くはウィルス対策ソフトを一緒に購入して持参される場合が多いです。当店で受け付けする際にウィルス対策ソフトの話題になって、『ウィルス対策ソフトを別に追加されるんですね』と申しますと、『えっ、ウィルス対策ソフトが入っているのですか?』と逆にビックリされる事が多いんですよね。

Windows 10にはウィルス対策ソフトが入っているという事実

その昔、Windows XPやWindows 7が主流だったころは、確かにウィルス対策ソフトは標準で搭載されておらず自分で何か選んでインストールする必要がありました。現在主流のWindows 10では、マイクロソフト社が開発したウィルス対策ソフト『Windows Defender』が搭載されています。

※ 2021年秋に発売予定のWindows 11においても同様にウィルス対策ソフトが搭載される予定です。

マイクロソフトのウィルス対策ソフトには二つの顔がある?

少しだけややこしい (でも実は優秀) のは、マイクロソフトが提供するセキュリティーとウィルス対策の機能には特徴があります。それは(a)セキュリティ全般を監視しユーザに通知する機能と、(b)実際のデータをスキャンしてウィルスチェック(=ウィルス対策)する機能とが合わさっていること。

事例1.他社製品を導入しない場合のセキュリティー

セキュリティー全体を監視する機能 は、『Windows セキュリティー』 が受け持ち、
実際のウィルス対策を行う機能 は、『Windows Defender』 が受け持ちます。

インストール、もしくは初回設定直後であれば、Windows Defenderの初期設定さえすればこの組み合わせで稼働します。
※ 試供版の社外製品を有効にした場合は、事例2.になりますがこちらも初回の設定が必要です。

事例2.他社製品を導入した場合のセキュリティー

セキュリティー全体を監視する機能 は、『Windows セキュリティー』 が受け持ち、
実際のウィルス対策を行う機能 は、あなたが導入した『社外製ウィルス対策ソフト』 が受け持ちます。
社外製ウィルス対策ソフトを検知すると、Windows Defenderは自動的に休止し、社外製ウィルス対策ソフトにスキャン機能をバトンタッチします。
重要なポイントは、社外製ウィルス対策ソフトの初回設定が正しく済んでいて、ちゃんと稼働していることです。プログラム的にはパソコンに入っていても利用開始手続きを踏んでいないと、事例3.のような危険な状態になります。

事例3.他社製品の期限が切れている場合のセキュリティー

購入してから時間が経っていて、別のトラブルや故障などで持ち込まれるパソコンの中には、この事例3.のような危険な組み合わせ で動作しているものがあります。
セキュリティー全体を監視する機能 は、『Windows セキュリティー』 が受け持ち、
実際のウィルス対策を行う機能 は、あなたが導入した『社外製ウィルス対策ソフト』 が受け持つはずなのですが、利用開始の手続きがされていない状態だったり、利用期限が切れていたり、といった理由で 社外製ウィルス対策ソフトが動作していない状態になります。

Windows セキュリティーの機能では、社外製ウィルス対策ソフトが正しく動作していないのではないか?と警告のメッセージなどを表示することはあっても、動作していないウィルス対策ソフトを排除して、Windows Defenderに戻すなどの高度な作業はしません。(顧客の意志を尊重する方針) 実質、ウィルス対策ソフトが稼働していない状態でパソコンは動作していることになります。

事例3 の状態は非常に危険

この仕組みで気をつけるべき内容は、社外製ウィルス対策ソフトが残っている間は、マイクロソフト社のWindows Defender も動作しない、 すなわち、どの対策ソフトも動作していないという状況であることです。
Windows セキュリティー による報告、ウィルス対策ソフトが正しく動作していない、バージョンが古い可能性がある、これらのメッセージに気づくかどうかにかかっています。

✅ 試供版のウィルス対策ソフトをいれたまま、そのあと更新をしていない方。(=ソフトの期限がきれたままの状態)
✅ 試供版・製品版の社外製ウィルス対策ソフトをアンインストールしものの、その際にエラーが発生して正しくアンインストールされていない状態で利用している方。(=管理上、社外製ウィルス対策ソフトが動作していると誤認識されている状態)

圧倒的にこのふたつの状況で利用し続けている方が多いです。大変危険な状況なので、該当するかも?と思った方はお近くのパソコン修理店などにご相談ください。