メールアドレスを維持・管理し、突然の利用不可から守る心得

メールアドレスを維持管理し続けることは意外に難しい

無料のメールアドレスが普及・増加してきた時代に比例して、自分自身で管理しているメールアドレスでトラブルが発生していて利用できないというご相談の件数が増加しています。例えば・・・
🔴 メールを読もうとログインしたがができない、エラー表示などがある。
🔴 パスワードが違う・忘れた。(これで合っているはずなのに・・・を含む)
🔴 何らかのセキュリティーが発動し、アカウントがロックされてしまった。
🔴 別の地域からハッキング被害に遭っていて、緊急ロックが作動した。

もうアカウント名とパスワードを覚えていればなんとかなる(アクセスができる)時代は終わり、色々なアクシデント(異常検知の状態)から素早く回復するためのノウハウが必要となっています。
ここで直接的な回答ではなく、色々な要素を列挙して皆様の解決の糸口になるような情報をまとめたいと思います。
当店ではメールアドレスを話題にした記事を色々と用意しております。よければこれらの記事も参考にしてください。
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ここに記載した情報には誤りがない様努めておりますが、万が一情報に誤りがあった場合にはご容赦ください。ここの情報を利用する際はお客様の責任において利用してください。利用されたことによって生じるいかなる不利益も、当方では責任を負いかねます。

維持管理が難しくなった背景と理由

ここ数十年を振り返った時に、メールアドレスなどの管理方法は大きく変わっています。
ずっと利用していて問題なかったからと、最近のセキュリティー事情に疎くなってしまっていると後で大変なトラブルに巻き込まれる可能性もあります。お時間があればぜひご一読ください。

有料のメールアドレスがメインだったころ

プロバイダーさんが提供しているような、有料のインターネット通信契約とともに提供されるメールアドレスをメインで使っていた頃なら、メールに関するトラブルは通信事業者に相談すれば解決できることがほとんどでした。サポート側は人が対応してくれる場合が多く、時間はかかるものの泣き寝入りする事例は少なかったです。
平成の後半~令和になって当店で受けている相談の多くは、この時期には聞かれなかった難解な質問が多くなってきたように感じます。

利用できなくなると困るメールアドレスは
プロバイダと契約し、月々の費用が発生するメールアドレスの方が安心感は増します。メールアカウント・パスワード・二段階認証の手段が設定されていれば、勝手にメールアドレスがロックされることは少ないと感じています。

無料のメールアドレスが台頭してきたころ

Google/Yahoo/Microsoft/Apple が無料のメールアドレスを配り始めた初期のころ、まだ二段階認証や多要素認証の普及・認知が低かった時期は、パスワードを忘れたり、ハッキングされたりして、アカウント(=メールアドレス)が利用できなくなる事例が増えてきた時期でした。

この頃から、アカウントに関するトラブルのほとんどはシステム上で機械的に応答・解決するアプローチが多くなり、システムからの問いかけに正しく対応・回答できなかった場合にはサポートが受けられないというパターンが増えてきました。

無料のメールアドレスが多数派になり始めた今日この頃

無料のメールアドレスを提供するIT各社は、セキュリティー異常検知システムの品質向上に伴い、自社のシステムやアカウントに対する異常検知を自動化し、アカウントの利用について異常を検知すると自動的にアカウント利用を停止させる方針が主流になってきました。

アカウントの利用者は権利回復のためのアプローチをネット上で実行することで、サービスを再開させるという手順が当たり前になってきました。

インターネットが利用され始めた比較的早い時代から、そのアカウントを利用されていた方の中には、セキュリティー強化の取り組みを取り入れてこなかった方もいらっしゃって、二段階認証や多要素認証に必要な連絡先情報を登録していなかったり、そもそも利用頻度が低く、IT各社からの通知に対して適切なアクションを取っていなかったことが原因で、アカウントを喪失してしまう事例を聞くようになりました。

無料のメールアドレスはまめに管理しないと簡単に喪失するもの

もう、メールアドレス(アカウントID)とパスワードを覚えていれば、いつでもメールサービスを回復されられるという時代は終わっています。 いつどんな時でも、IT各社が用意したセキュリティー異常検知システムが反応し、アカウントが停止されてしまっても、決められた回復手順で自分自身であることを証明し回復させる、という作業を粛々と実行できるスキルがないと、無料のメールアドレスを維持できない時代です。

無料のメールアドレスは異常検知ですぐに停止してしまうもの

対外的にこのメールアドレスが止まってしまうと(メールが読めなくなると) とても大変なことになる。
そういう方は、ぜひこの機会にご利用されているIT各社のサポートページを参考にして、各種設定の確認をお願いします。

登録されている緊急連絡先は正しい情報ですか?

自分自身のアカウントのブライバシー・セキュリティーなどの設定項目を再確認し、二段階認証や多要素認証に必要な情報が登録され、最新の情報に更新されているか?や、多要素認証の仕組みが稼働しているかを確認してください。

二段階認証や多要素認証は活用されていますか?

不正アクセスの始まりは、IDやパスワードの不正ログインから始まります。
昨今、インターネット上の各種サービスから、個人情報(IDやパスワード)の流出が起こっているせいか、それらの情報を使った、他のシステムへの試行(不正アクセスできないか試す)行為が多発しています。

インターネット上で提供されている、全てのサービスはもう、IDとパスワードだけでは守れない水準にまで来ていて、多要素による認証は不可欠になりつつあります。

有料のメールアドレスを採用するという手も

老舗のプロバイダが運営している、有料のメールアドレス。メールアドレスのサービスだけを借りる方法があります。月々200~300円ほどで借りられますし、よほどのことがない限りメールシステムを停止させられることはないです。(設備や他人に迷惑をかけていた場合を除いて)
あなたが、ID・パスワード、多要素による認証などの仕組みを維持されていれば、安定的に利用できることが期待できます。

当店スタッフのほとんどは、この方法で大事なメールアドレスは有料のもので 利用しています。無料のメールアドレスもコスト的には大変魅力ですが、日々の維持管理のコストまで計算に含めると、体感的には無料ではない、とも言えます。
有料のメールアドレスなら、たまにしか使わなくても月々の費用さえ払っていれば勝手に止められることもなく異常を検知すれば連絡もくれますので、安心感はあります。

生々しいトラブルの事例

当店でご相談を受けたり、対処したりした案件の中からこの記事の事例に合うものをピックアップしてご紹介します。

事例1. PCを新調したらメールが読めなくなった

元々利用されていたパソコンの動作が遅くなり、PCを新調しメールが読めるように初期設定をしてもらったところ、新しい方のPCではメールが読めない (アカウントにログインできない) ブロックされている旨の表示が出る事例がありました。

原因の方は推測になりますが、アカウント名とパスワードのみの設定になっていて、不正アクセス(ログイン試行)の被害を受けていて、他のデバイス(今回の場合、新しいPC)からのログインがブロックされている状況でした。
現在利用していたPCは、すでにログインしたままの状態で例外的にログイン状態が維持されていたため、通常の利用ではアカウントがブロック状態であることに気付けなかった状況でした。

これが、パソコンの故障をきっかけとした買い替えでしたら、メールが読めなくなる事象となり大きな問題になるところでした。

事例2. 久しぶりにメールにアクセスしたら、アカウントが閉鎖されていた

無料提供されるメールサービスに多い事例ですが、契約されているIT会社さんの方針で、前回アクセスされてから●●日後までに利用が無かった場合はアカウントを一時閉鎖するという条件があります。
この状況になると、メールの受信も停止してしまうため、相手からのメールも受け取らないモードになり、相手さんが困るという状況になっています。(利用者本人はアクセスしていないので気付かない)
たまにしか利用されない方がこのルールにひっかかってトラブルになっていることがありました。
→ まめにアクセスするようルーティンを変えるか、
→ 有料のメールアドレスの利用を検討するか、
いずれかの対応が必要な事例でした。

2023年。休眠アカウントの排除を目的として、IT各社は利用のないアカウントの休止ではなく、廃止の手続が可能になるようルールの変更を行っています。以前であれば利用の頻度が少なく、再開の手続をとれば復活させることが可能でしたが、来年以降は休止ではなく廃止されてしまうので、同じメールアドレスが利用できなくなる可能性が出てきました。
過去に休止にされて回復の手続を踏んだことがある方は、特にご注意ください。

たまにしか使わない方は・・・
月々の費用が発生する、有料のメールアドレスが安心です。契約なので勝手に解約される心配はほぼ無いです。

事例3. アカウントがロックされ、回復の手続を始めたが緊急連絡先が違った

ある時にログインしたところ『異常検知システムによりロック状態』にされてしまっていたため、回復の手続を始めたが、アカウントに登録されていたメールアドレスが古い(すでに廃止してしまったメールアドレス)であったために、メールシステム側からの確認の連絡が受け取れず、回復の可能性が途絶えたという事例。

通信の自由化に伴い、光回線の自由化(光コラボレーション)などにより通信契約を他社に移した際に、以前に利用(貸与)されていたメールアドレスを解約してしまい、その解約したメールアドレスが連絡先になっていたという事例。他に登録されている連絡先(スマホの電話番号とか)がない場合は、回復させられない事象になります。ここ5~10年で見ると急増しているご相談となります。皆様もご注意ください。

ぜひやっておくべき作業

無料のメールアドレスを利用されている方は、緊急連絡先をできるだけ多くいれておくべきです。
✅ 自身が持つ他のメールアドレス (ちゃんと利用しているアドレス限定)
✅ 携帯電話・スマホの電話番号 (SMSが受信できるもの)
何らかのセキュリティーが発動されて、ロックされた状態であったとしても、過去の経験上あらかじめ登録されていた連絡手段に『確認コード』のような情報を送信し、無事にそれが入力できた場合は短時間で確実に解除されることが多いです。二段階認証や多要素認証にも使える情報なので未登録の方はぜひご検討ください。

各種ご相談

当店店頭においても、メールアドレスに関するご相談をお受けしております。
自分のメールアドレスに二段階認証や多要素認証に関する設定がされているか?
緊急連絡先の情報が正しく反映されいてるか確認したい、などの各種ご相談をお受けしています。

このメニューは『パソコン何でも相談』の料金体系で対応します。
料金表で価格が判るように 料金1.料金2.料金3. という色分けで料金が判るよう表記しています。金額の確認は Link『パソコン何でも相談』料金表 にて。

費用は30分単位となっており、おおむね30分~1時間で終了することを想定しているサポートメニューとなっています。

参考情報

メールアドレスに関連した情報を載せておきます。
『当店記事:純粋にメールアドレスを取得したい』🔸

メールサービス提供会社一覧

有名な会社のみを抜粋して掲載します。
サービス名、IDの名称からメールアドレスの規則性について解説します。

提供会社サービス名メールアドレスの例
Apple社Apple ID🔴🔴🔴🔴@icloud.com (※1)
Appleが提供するサービスで利用。アカウント名がメールアドレス
Google社Google ID🔴🔴🔴🔴@google.com
アカウント名がメールアドレス
Microsoft社Microsoft Account
マイクロソフト・アカウント
🔴🔴🔴🔴@outlook.jp (※1)
アカウント名がメールアドレス
Yahoo社Yahoo ID🔴🔴🔴🔴@yahoo.co.jp
アカウント名がメールアドレス
@ybb.ne.jp もYahoo IDから来るメールアドレス。

※1 例の表示は各社に依頼し、新規に発行されたメールアドレスを利用した場合です。自身で用意した既存のメールアドレスをIDとして登録する方法もあります。その場合はご自信で用意した、そのメールアドレス名称がIDとなります。