新規格『+メッセージ』の良い点・悪い点

+メッセージの詳細情報が伝わってきました

NTTドコモ、au、Softbankが連携して、共通のメッセージ送信アプリ(の規格)を取りまとめ、運用を開始するようですが、その仕様の詳細が伝わってきました。
当店スタッフが良いなと思うポイントについて解説します。
おそらく、比較対象はLINEに代表される既存のメッセージング・アプリとなります。

2021/11 ドコモ系MVNO回線でも、+メッセージが利用できるようになりました。Google Playから、『+メッセージ NTTドコモ』をダウンロードしてお使いください。

+メッセージとは

元々、電話番号のみでやりとりするメッセージ送信の仕組みは、SMSがありました。ただ、キャリア各社間で非互換な部分があり、また文字のみの送信、字数の制限、単一の相手への送信のみと、今となってはかなり質素な仕様であり、キャリア(電話会社)が異なっている場合に不便が多かったものです。
+メッセージ 規格は、原始的なSMS 規格の創設以降に提案された、数々の拡張案を採用し、文字のみでなく画像や音声など色々な種類のデータを、電話番号のみで送れるように改良させたものです。各社が同じ+メッセージ規格を採用するので、キャリア(電話会社)が違っても自分の意図した通りに情報が伝わり、色々な面で飛躍的に便利になります。

+メッセージには、さらに嬉しい仕様が

上記以外にも、既存のメッセージ送信手段に手を出せなかった方々に朗報となる機能があります。

対象となるアプリをダウンロードすれば、例えば LINE ID のようなID/パスワードを取得する必要がありません。電話番号自身が本人確認番号となりますので、似たようなIDによるなりすましなどの不安が大幅に軽減されます。
携帯電話事業者によっては未対応の会社があります。(後述)

単一企業が運営するLINEなどでは、スマホに保存されている連絡先情報や、メッセージの本文・履歴がサーバと呼ばれるLINEの中央コンピューターに保存される仕様です。
+メッセージの場合、現時点でのアナウンスでは、連絡先のデータや、メッセージのやりとりの情報をどこかに保存しない、ということになっています。 個人情報がどこかに残ってしまい不安だという方には、かなり嬉しい仕様になっています。

SMS の大幅拡張版である+メッセージですが、最新の仕様でメッセージがやりとりできるのは、お互いが+メッセージアプリをインストールしている時だけとなります。
かといって、いちいち相手が+メッセージに切り替えているかを確認するのは大変ですよね。
このアプリでは、+メッセージをまだ使っていない方に送信する場合は、従来のSMSで送信する仕様になっています。

・SMSの頃の料金は、以前は1通○○円という計算方法でしたが、+メッセージではパケット量(データ量)に応じた料金となります。これは一般的なインターネット閲覧時のデータ量と同じ費用の請求になります。パケット定額になっていればメッセージの費用を個別に意識することはなくなります。

・LINEであった既読の管理機能ですが、既読の表示(管理)をするか否かは、選択できるようになっています。地味ですが既読の管理がせわしくてイヤだという方は少なくないですよね。

・写真・動画・音声の送信が可能に。シニア世代でキーボードの操作が苦手、という方には音声メッセージで運用されると、大変便利になるかと思います。

・複数人によるメッセージのやりとり、グループ送信機能も装備しています。SMS の頃のように電話番号ごとに一回ずつ送信を繰り返す、なんて面倒な作業とはサヨナラです。

現在、+メッセージをサポートする予定は

現在、NTTドコモ、au、Softbank の三社です。
MVNOや、サブキャリアについても、合流の意志があれば柔軟に対応するとのことなので、国内標準のメッセージング・アプリになる要素は十分にあります。
アプリの利用開始は、2018年 5月 8日以降を予定しています。
最初の投入はAndriod系で iOS(iPhone)板は、準備が整い次第投入していくとのこと。

2021/11 ドコモ系MVNO回線でも、+メッセージが利用できるようになりました。Google Playから、『+メッセージ NTTドコモ』をダウンロードしてお使いください。

+メッセージアプリ、その実体は?

キャリア(電話会社)各社でアプリの取り扱いが変わります。
・ドコモは、+メッセージを別のアプリとして提供予定です。
・auは、既存のSMSアプリをバージョンアップして+メッセージの機能を追加します。配布先は au Marketです。
・Softbankは、au同様既存のSMSアプリをバージョンアップして+メッセージの機能を追加します。配布先は、Google Playです。
iOS版は、キャリアに関係なく、Apple Store提供のアプリとなる予定です。

+メッセージに見える将来性

この+メッセージは、LINEなどの成功を見た競合他社が、新規に作成した規格じゃないかと思われている方も多いようですが、これは結構違います。
今回の仕様拡張のベースは、SMSの仕様を拡張しようと標準を策定する団体(GSMA)が発表しているRCS (Rich Communication Services)に準拠した拡張となっています。いつも言われるようなメーカー各社が勝手に拡張した『ガラパゴス的な拡張』でないところに、将来の標準になりうる期待が持てます。

国民の大多数が使用するメッセージング機能ですので、特定の企業が管轄する仕組みより、各社が相互に接続して運用する、インターネットの基本的な仕組みに準じた方式の方が信頼を得られるのではないかと、個人的には思っています。