Acer ProShieldとは何か? 利用すべき?削除すべき?

Acer製品の一部にインストールされているソフト

『Acer ProShield』は、Acer製パソコンの一部のモデルに搭載されているソフトです。搭載されているモデルで見ると、比較的ビジネス向けモデルに搭載されていることが多いソフトのように見えます。
さて、このソフト実際にはどのような事が出来て、利用するべきなのか?さっさと削除してしまった方がいいのか?判断に迷うと、お客様からご相談を受けました。
今回は、このソフトの機能・性能・優位性などについて調べてゆきたいと思います。

ProShield の機能とは?

ソフトを搭載するAcerのマニュアルから該当個所の記述を引用いたします。

ProShield は、コンピュータや重要なデータへの不正なアクセスを防止する完全なセキュリティツールです。
・不正なアクセスからのコンピュータの保護
・重要なデータの保護
・ネットワークの保護
Acer ProShield にはデバイスを不正なアクセスや侵入から防ぐための下記の機能があります。
・信用情報マネージャ – パスワード、Bio-Protection、TPM 管理設定
・BIOS 設定 – ブートシーケンスとデバイスのアクセス管理
・データ暗号化 – Personal Secure Drive、ファイル、フォルダの暗号化
・データ削除 – ファイルシュレッダー

これによると、
パソコンとデータを守るソフトであることが判りました。
データを暗号化して保護したり、BIOS/UEFI設定の管理(監視?)をするとのことで、パソコンの根幹に深く関与するソフトであることも判ります。

ProShieldって、広く使われているの?

当店の調べによると、Windows の世界ではメーカーが選定して搭載しているのは、Acerのみのようです。他社メーカーのウェブページなども見てみましたが、当該ソフトの名称が検索でヒットすることはありませんでした。
このソフトのシェアはあまり多くなさそうです。

既存のウルィス対策ソフトとは、機能が衝突しないの?

当店もこの点がひっかかっていて、調査をいたしました。
不正なアクセスからの保護という機能があり、この機能は昨今の遠隔操作を監視・防止する機能などとバッティングする可能性がありそうです。
また、データ保護の観点から、ランサムウェアなどによるデータ改竄の活動監視と、本機能はバッティングしそうな感じです。
特に、この『ProShield』を入れておくことの優位性までは技術資料では確認ができず、一般的なウィルス対策ソフトとこのソフトを併用するメリットや相乗効果などは確認できませんでした。

当店が下した判断は?

お客様からのご相談に対しては、下記のように回答いたしました。
このソフトは、ウィルス対策ソフトが持つ機能と類似した項目が沢山あり、そのなかでもBIOS/UEFI機能の保護・監視や、データを暗号化して防御するなど、通常のウィルス対策ソフトでは行っていないような機能も存在します。
これらの機能は、正しく動き続けることが絶対条件で、バグによる不具合や、他のソフトとの衝突による誤動作などは、データ消失などの大きなアクシデントの引き金になり、危険と隣り合わせな要素を持ちます。

この『ProShield』を利用するか、削除するかは、このソフト自身の機能や安定性について、どの程度信頼しているか?によるところが大きく、信頼できる方は活用するし、いまひとつ信頼できないと思った方は利用をあきらめるのが正解だと思います。

いまひとつ積極的に利用を勧められない理由のひとつが、普及度の低さです。
世間でもあまり話題にならないソフトですし、本ソフトの普及本数と利用年月は、ソフトが正しく動作し続けているかどうかの目安にもなります。

最終的な結論としては、無理して積極的に利用しなくても良いのではないか?
購入直後の作法としては、とりあえずアンインストールしてウィンドウズの利用を開始し、もし、あとで『ProShield』を利用するときは、『Apps & Driversディスク』から復活させるという形で宜しいのではないかと、そうお伝えいたしました。

当店ではソフトウェアの機能調査も行っています

パソコンを買ったら、色々なソフトが入っていて、活用したらいいのか、削除した方がいいのか、判断に困るソフトがある。そんな時に当店にご相談頂きますと、残すべきソフト、削除すべきソフトを判断してご報告の上、削除を行うサービスが用意されています。