HDDからSSDに換装してOSを移行・インストールを考えている方に有益な情報

HDD搭載機をSSDに交換される方が増えています

ここ数年で一気にSSDの知名度が上がり、SSDが搭載されているパソコンを選んだり、HDDが内蔵されているパソコンをSSDに載せ換えて(交換して)利用したりすることによるご相談が増えています。

SSDへの載せ換えに関して、比較的簡単でリスクの少ない作業だと思われている方が多いように感じていますので、SSDへの載せ換えについてみなさまが知っておくべき内容について、解説してみます。


ここに記載した情報には誤りがない様努めておりますが、万が一情報に誤りがあった場合にはご容赦ください。ここの情報を利用する際はお客様の責任において利用してください。利用されたことによって生じるいかなる不利益も、当方では責任を負いかねます。

載せ換え後のウィンドウズやデータの回復方法

新しいSSDに載せ換えたあと、ウィンドウズなどの環境を回復させる必要がありますが、大きく分けてふたつの方法があります。
新規にウィンドウズを導入する方法
以前の環境を移して同じ環境で使う方法 とがあります。
リスクや難易度が一緒であれば、利便性を取って【以前の環境を移して同じ環境で使う方法】を選ぶと思いますが、両者には一長一短があります。

新規にウィンドウズを導入する方法を選択する際の利点・欠点

新規にウィンドウズを導入する方法 には、細かく分けると二つあって、Windows OS インストールディスクを使って、メーカーに依存しないWindows をインストールする方法と、リカバリーディスクを用いてメーカー出荷時の状態に戻す方法とがあります。

利点 (性能面) 使い続けて遅くなったWindowsのしがらみを断ち切って、メーカー出荷時の綺麗な状態に戻せる。
利点 (利便性) 元のHDDの状態に影響を受けないので、異なる規格や、壊れかけの状態であっても影響がない。

欠点 (手間) 以前の使い慣れた環境に戻すため、設定のやり直しやソフトウェアのインストールなどが必要。
欠点 (仕様) リカバリーディスク側で交換したSSDを規定外の部品(自社で出荷していない部品)と認識された場合には、リカバリーが実施されない場合がある。
欠点 (仕様) 新しい規格の製品を認識できないリカバリーディスクは、リカバリー処理自体がエラーなどで中断する。

以前の環境を移して同じ環境で使う方法を選択する際の利点・欠点

以前の環境を移して同じ環境で使う方法 には、細かく分けると、ディスククローンなどの専用のツールを使ってデータ化したものを利用する方法と、Windows標準のディスクイメージなどの機能を使って移行する方法とがあります。

利点 (手間) 現時点での全てのデータと環境を引き継ぐことができるので、移行に成功した場合はもっとも大きな恩恵を受けられる。

欠点 (トラブル) 現時点での環境を複製する場合に、すでに元のHDDが壊れかかっていた場合には、正しく全体のデータを移行できない。

欠点 (仕様) 製品仕様(512バイト/セクタとAF-4Kセクター)の差により、正しく起動しなかったり、性能が発揮されない場合がある。

ディスクサイズが異なることによるトラブル

HDD製品の容量と、SSD製品の容量は同一でなく微妙に容量(サイズ)が異なります。
前述の【以前の環境を移して同じ環境で使う方法】を選択した場合、特に元のサイズと、移行後のサイズには注意を払う必要があります。

HDDが搭載されている場合の容量(サイズ)
160GB250GB320GB500GB640GB750GB1 TB
・640GBサイズ以下では、規格の新・旧の差によるトラブルが起こりやすい。
※160GB未満の機種もあるが、移行を行う可能性が低いので割愛しています。

SSDとして販売されている容量(サイズ)

240 GB 256 GBモデルは珍しく少数派。
いずれの場合でも、250GB 以上のHDDから移行させるのは無理。

480 GB 500GBではなく 480GBが主流なのがポイント。512 GBという製品もあるが少数派。
500GB 以上のHDDから移行させるのは無理。

960 GB HDD搭載で移行させようかと迷う頃のモデルであれば、だいたい960 GBモデルに移行可能ですが、SSD自体のお値段が(240GB/480GBと比べて)高いので悩みどころです。750 GB台のSSD製品がないのも悩ましい理由のひとつ。
1 TB 以上のHDDから移行させるのは無理。

※ほんの少しでも元のサイズを下回る場合、クローンやイメージでの移行はできない。

お値段優先の作戦であれば、新規インストールの方法にはなりますが、240GB/480GB あたりを選ぶのも良いです。

HDDからSSDへの移行で肝に銘じておくこと

皆さんのイメージを壊すようで恐縮ですが、あちこちにトラブルの種が潜んでいます。
手順を踏んで、個人のデータなどを消失されないようしっかりと取り組んでください。
自信がない場合は、専門の業者さんにやっていただくことも検討してください。

個人データの消失には万全の対処で

万が一にも消えてしまっては困る大事なデータは、作業前に手作業でコピー(バックアップ)をしておくべきです。クローンツール・システムイメージに絶大な信頼を寄せると痛い目に遭います。

作業は簡単という触れ込みを信じすぎると意外な結果に

最近流行りの、SSD移行ツール・クロールツールなどで簡単に移行できるとありますが、宣伝通りにはいかなかった事例もたくさんあります。『何かが起こる』くらいの気持ちでちょうど良い感じです。

全ての作業を慎重に

HDD内にリカバリー区画があるから心配ないと思っている方も多いですが、ご自身のHDDを触る場合、万が一の保険として、リカバリーディスクの作成は必ず作成しておいてください。大事なデータのバックアップと、リカバリーディスクがあれば、何とかなります。