インターネット通信環境の種類と移り変わり

選択が可能なインターネット通信環境について

季節の変わり目、年末や年度末などに『どんなインターネット回線がいいですか?』と質問をされることが多く、その度に当店スタッフからご案内をしておりますが、回数が多いということは需要があるのかなと思い、簡単ではありますが契約上の選択肢をまとめておきます。主に設置設備と通信環境についてです。


ここに記載した情報には誤りがない様努めておりますが、万が一情報に誤りがあった場合にはご容赦ください。ここの情報を利用する際はお客様の責任において利用してください。利用されたことによって生じるいかなる不利益も、当方では責任を負いかねます。

契約できる選択肢

ホームルータ

【特徴】外部通信は LTE/5G による通信。スマホなどと同じ方式で、屋内はWIFIによる通信になります。
ホームルータは物理的には持ち運べますが、設置場所を動かせない契約上の制限があります。複数の拠点間を持ち運んでの通信はできない場合が多いのでご注意ください。
【良い点】
屋外から宅内に通信回線を引き込む工事が不要なので、賃貸など建物に工事ができない物件でも設置が可能です。
✅ ケータイショップ店頭などで契約し通信機材を持ち帰れば、10分程度でインターネット環境を構築できます。すぐに通信環境を必要とする方や、忙しくて受かり回線引き込みの工事日に立ち会うことが難しい場合にも向いています。
【悪い点】無線通信なので通信品質に『むら』が生じる可能性があります。動画再生や、普段のサイト閲覧などには影響はほぼ無いと思いますが、流行りの通信・対戦ゲームなどサーバへのアクセスが頻繁に発生する、リアルタイムに応答が必要な場面では、通信品質のムラによる『ラグ』などの症状が出やすいことが知られています。
お住まいの家屋に回線引き込み工事が可能であれば、一般的な光回線による環境構築をお勧めします。
【購入・契約に際して】ホームルータは購入者の負担となりますが、時期によってはこのホームルータの取得費用が軽減、もしくは実質無料くらいの条件で契約できることがあります。
【テクニック】このホームルータとスマホなどの通信契約をセットにすることで、月々の費用が割り引かれる場合があります。

【サービス名】ドコモ ホームルータ、ソフトバンク Air / WIMAX / au など

ホームルータを自前で用意

先のホームルータは、通信事業者がホームルータとSIM契約をセットにして販売するものですが、汎用的なホームルータ製品を自身で購入し、データ通信量の安いSIMを自前で契約して利用することも可能です。ホームルータ製品とSIMカードの組み合わせ、特に周波数帯バンドの確認は自身で行うことになるので、初心者の方にはお勧めしにくい選択肢となります。

テザリング環境

【特徴】すでに契約中のスマホやタブレットの通信契約を使い、スマホなどをWIFIルータ(Bluetoothルータ)として通信を行うことで、インターネット環境が構築できます。データ量(料金)は、スマホなどの契約に準拠します。
【良い点】スマホや契約内容がテザリングに対応していれば、使いたいときにテザリング機能をオンにして利用することが可能です。
【悪い点】通信速度はそんなに早くありません。スマホ単体での通信速度よりも下がる傾向があります。テザリング使用中はスマホなどの電池消費が上がるのでバッテリー残量に注意が必要です。

テザリングを本格的に

SIMカードを複数入れられるスマホ製品の場合、テザリングを行うことを前提に、データ通信量の安いSIMを用意してこちらでデータ通信を行うよう設定することも可能です。
テザリングを併用する分だけスマホの電力消費が激しくなるので、利用スタイルによってはモバイルバッテリーなどを併用しながら利用することになります。

光回線 NTTなど通信事業者

ADSL回線に代わって、現在主流になっている通信環境です。戸建住宅に引く回線と、集合住宅(マンションなど)で一括で導入する回線とがあります。

【良い点】集合住宅で契約される場合は契約する回線数などに応じて、月々の費用が安い契約ができることがあります。
【悪い点】集合住宅で導入されている通信環境の場合は、通信設備(能力)をみんなで分け合う感じになるので、沢山の方が利用される時間帯などは速度が変わる(安定しない)場合があり得ます。

【契約期間が長い方】その当時貸し出されたモデムやルータの仕様が古い場合は、特にWi-Fiのセキュリティー規格が古い場合がありますので、おおむね 5年以上経過している場合は、新しい機材に交換ができないか?など契約先に相談してみる必要があります。
出張サポートなどでお伺いすると、一定確率でとても古い機材を使っている場面に出くわしますが、レンタル機材の場合は追加の費用負担はありませんので、交換して頂けるなら積極的に交換した方が安心・安全です。

レンタル機材は、ONU内蔵ルータ1台で賄うスタイル と ONU および ルーター製品と別々の製品に分ける組み合わせがあります。屋内のレイアウトに自由度をもたせたい場合は、後者の方がLANケーブルで延ばせるので便利な場面があります。回線申し込み時に選べる場合がありますので、契約する事業者にお問い合わせください。

光回線 光コラボ事業者

技術の面で見たらNTTなどが提供している光回線と変わりませんが、光コラボ事業者の場合は回線の又貸しになるので、通信品質や関連サービス(オプション)などに違いがあります。月々の通信料金も異なりますが、提供されるサービスの条件も異なりますので、金額だけで選びすぎないよう、巷の評判なども参考に契約されると良いです。

衛星通信による通信方式

2023年、衛星通信会社の月額料金が下げられたことにより一般の方でも契約ができる価格帯になってきました。2023年の段階で6600円ほどです。
【特徴】屋外アンテナと専用ルータをセットで導入し、衛星から受信を行うことでインターネット通信環境を構築する方法です。
空が見渡せるところであれば、設置するだけで自動的に衛星を探査し、最適な角度に自動でアンテナが動きます。
一般的に人があまり住んでいない地域では通常のLTE/5Gによる通信環境が脆弱であることが多いです。例えば山奥で通信する方、船舶などで海洋に出る方、もしくは離島・無人島などに行かれる方などには、魅力的な選択肢になるでしょう。

終息方向にある環境・選択肢

現在利用中のサービスもありますが、将来的には廃止・休止になる規格やサービスを指しています。

ADSL方式

その昔、ソフトバンクが旗振り役となり月々の通信費用がぐっと下がったことで有名なADSL方式による通信契約です。設備の老朽化など、さまざまな理由から利用者が減り、現在はサービス停止に向けてスケジュールが組まれています。
Yahoo BBなどは、代替の契約としてSoftbank Airを勧める営業をかけているそうですが、 現時点では、これ以外にもさまざまな種類の通信サービスがありますので、大きな店舗で一度、どのような選択肢があるのが情報収集をしておくと良いです。
○○○○@ybb.ne.jp のメールアドレスをふだん利用されている方で、インターネット通信環境の変更を考えている方は、早い段階で ○○○○@yahoo.co.jp のアドレスを使うよう各種届け出をしておくとスムーズに契約が変更できて便利です。(詳しくは検索してみてください。)

ISDN (INS) 方式

こちらも 2024年に終息することが決まっている通信方式です。事業者様を中心に導入が進んでいた通信規格ですが、純粋にインターネットを行うだけであれば、早めに新しい通信規格に移行すべきでしょう。特別な条件で利用されている場合は、代替の契約についてもご案内が来ていると思いますので、計画的に移行してください。

すでに終了している通信環境・選択肢

ダイヤルアップ方式

昔はモデムに電話線をつないで、ダイヤルアップ方式で通信していた時代もありましたが、ここ最近では珍しくなりましたね。