SSDが故障しているかどうか判別する方法について

最近よく質問されることが多くなりました

ここ数年、SSDを搭載した製品や、SSDに載せ替えた製品が多くなったことから、SSD製品の不具合や故障に起因するトラブルが多くなっています。
HDD製品と違って、良否判定(故障しているかを判定)する方法が確立していないこともあって、よくこんな質問を受けます。

❌ フォーマットしようとしてもうまくできない。
❌ リカバリーや回復の処理をしても、うまくいかない。
こんな状況が絡む質問や相談を受けます。
ここで、代表的なSSDに関する故障の事例や、故障している時に発生する事象について備忘録としてメモを作成します。構造や採用技術によっても若干変化がありますので参考情報となりますが、情報のひとつとしてご覧ください。ご自身で修理などを行う場合は個人の責任において情報をご利用ください。


ここに記載した情報には誤りがない様努めておりますが、万が一情報に誤りがあった場合にはご容赦ください。ここの情報を利用する際はお客様の責任において利用してください。利用されたことによって生じるいかなる不利益も、当方では責任を負いかねます。

SSDが故障している時に生じる事象

搭載しているSSD製品が故障している時に遭遇しやすい事例について、ここでまとめてゆきます。
店舗営業の合間で、時間のある時に加筆・修正をしてゆきます。

SMART情報に正しく反映されない時があります

HDD製品が主流だった頃のようにS.M.A.R.T情報を見て良否判定をする場合がありますが、当方の経験上、SSDデバイスの良否を判定する上で『SMART情報では正常に動作しているように見えていても、SSDは壊れ始めている事例がある』ことを覚えておいてください。

もちろん、SMART情報でも異常を検出できる事例もあるので、感覚としては『HDD製品の頃よりもSMART情報では判断できないエラー事象が増えたようだ』というイメージに近いです。

BIOS/UEFIでデバイスとして認識できない

パソコンの電源を入れると、時々ウィンドウズが起動できずにBIOS/UEFIの画面が表示された状態で止まる事象が発生し、再起動すると不通にウィンドウズが起動してしまう事例があります。
★ これは故障の典型的なサインで、無事に起動したら1秒でも早く大事なデータをバックアップしてください。『無事起動して良かった~と、シャットダウンをしてはいけません。』今回の起動が最後かもしれない!と思うレベルの危険な予兆です。

この症状に遭遇したら、バックアップを速やかに実施

SSDデバイスが認識されなかった時のメッセージ各種

起動用のSSD製品が一時的に認識されなかった時のパソコンの画面上でっメッセージについて、当方で経験し回数の多かった事象について記録を残します。

Bl Initialize Library failed 0xc00000bb
『Bl Initialize Library』が発生させるエラーコードは多岐に渡ります。注目すべきは文末のエラーコードで、エラーコードが『0xc00000bb』である事例に限って言えば、SSD製品の故障であった割合は多かったです。 (もちろんSSD製品以外のところが原因であったこともあります。) 可能性が高めだった、という点では『このエラーメッセージを見たら、データ復旧のためのアプローチを取り始める』ことは正解だと思います。

Boot Device Not Found
No Boot Device Found – Please restart system
no boot device is available
Insert system disk in drive. Press any key when ready
起動できるデバイスが見つからない(SSD製品が認識されていない)状況で表示されるメッセージです。BIOS製品の種類や時代によって文言が変わりますが、認識されるべきSSD製品が見つからなかったことは確認されていますので、データ復旧などの検討は速やかに行われるべきです。
(一過性である場合を除いて、データ復旧が実施できるタイミングとしては厳しいと言わざるを得ませんが・・・)

Optaneメモリが実装されている場合の注意事項

ある時期にOptaneメモリ と HDD/SSD製品の組み合わせでウィンドウズを起動させる仕様で販売されたパソコンがあります。Optaneが関係したシステムの場合は、起動デバイスの検出方法が少し違うので、Optane側、SSD側、どちらに不具合を抱えているのかそう中に切り分ける必要があります。

Optane機能が搭載されたSSD製品、というものがあります。
機能としてはふたつの要素がありますが、物理的には1個の製品になっていて、この場合はどちらの機能が損傷していてもSSD製品の故障という扱いになりますので事態は深刻です。

SSD消去機能が利用できない

データ消去ツールの中には、SSD製品について専用の消去機能を有していて短時間で安全に消去できるものがあります。故障しているSSD製品の場合、この専用の消去ツールを利用するとエラー表示するものがありますが、その多くはSSD製品の故障から来ている場合が多いようです。

一般的なストレージ消去ツールの場合、意味のないデータ(例えばオールゼロなどの情報)で全体を上書きして既存のデータを消去するタイプのツールがあります。これらのツールでSSD製品を消去した場合に、消去処理自体は正常に完了したのに、改めてちゃんと消えたかの確認をすると実施する前の情報(データ・パーティション)が残っている事象があります。
これもSSD製品の典型的な故障事例です。SSD専用消去でエラーし、通常の消去で消えない場合はSSD製品の故障をかなり疑う場面となります。

変な症状を経験したらバックアップを

SSD製品が搭載されているパソコンを利用されている方は、今まで以上に変な動作に敏感になっていてください。SSD製品は平均すると、故障の兆しが始まってから、重傷になるまでの時間が短いです。
初めて変な症状を経験し、二回目は普通にウィンドウズが起動してしまうような場面で、『今のなんだんだろう、気味が悪いなー』みたいな感じで、『まぁ動いたから良しとするか』でシャットダウンをしてしまうと、今回が最後の起動だった・・・ということが十分にあり得ます。

SSD製品を搭載したパソコンをご利用の方は、ささいな事象であっても『あれっ? いつものと違うぞ?』という場面に遭遇したら、すぐさまバックアップを取るくらいの慎重さを持って利用してください。