LIFEBOOK ドライバーズディスクが無く、リカバリーが出来ない

当店では色々なご相談に対応しています

ご相談の中で、これはかなり変わった問題(原因)だなぁと担当スタッフが思った事例を、備忘録として残しています。今回のご相談は、こんな事象です。

中古で購入したパソコンで、比較的まだ新しいモデルでした。
リカバリーはされていない状態で購入され、『リカバリーディスクは揃っているので、ご自身でリカバリーして下さい。』という条件で入手されたそうですが、リカバリー途中でエラーが発生し、正しくリカバリーができないとのご相談。


購入元の保証期間は過ぎており、当店でなんとか修理が可能ならPCは活用したい。
作業手順の間違いである可能性や、パソコンのパーツに故障が発生している可能性などをご説明し、まずは調査という形で承りました。
しかし、これが意外な結果となりました。

さっそく調査を開始

エラーの内容を確認すると、リカバリーを開始して何枚目かのディスクの入れ替え指示にて、『ドライバーズ・ディスクを挿入してください。』という表示が出ます。
ですが、お客様がお持ちになったディスクには、このラベルのものがありません。
お客様の希望で、Windows 10にリカバリーする計画ですが、このOSに関係しそうなものは、
・リカバリー起動ディスク 64bit版 (Windows 10)
・リカバリーデータディスク 64bit版 (Windows 10)
この二枚だけでした。

メーカーサポート情報を分析

この機種は、ドライバーディスクが添付されていたモデルでしたが、ただし書きがあって、『ドライバーズ・ディスク と WinDVD のディスクを予め作成しておく必要があります。』というモデルでした。

という、変わった仕様のモデルでした。
直感で思いましたが、これはその当時かなりもめた仕様なんじゃないかと。
インターネットで検索してみましたが、パソコンご購入直後でリカバリーを実施して、メディアが揃っておらずにリカバリーができなかったという書き込みが、結構ありました。
リカバリーに必要なディスクの半分しか添付されていないなんて、普通は思いませんものね。
しかも、
・リカバリー起動ディスク 64bit版 (Windows 10) 標準で添付
・リカバリーデータディスク 64bit版 (Windows 10) 標準で添付
という、いかにもリカバリーな冠が付いたものだけが 添付され、
・ドライバーズディスク PC上で作成しておく必要あり
・Corel WinDVD PC上で作成しておく必要あり
という残りのふたつは、ウィンドウズ上のプログラムにて、予め自分自身で作成する仕様だったそうです。しかも、用意するDVDは、DVD-R DL もしくは DVD+R DLという二層の特殊なものが必要なんだそうで、『いじわるな仕様』としか、言いようが無いものだったようです。

このモデルを利用する上での正解は何だったのか?

・使う、使わないに関わらず、出荷時導入OSで起動させる。
・初期設定を済ませて、OSが利用できるようセットアップする。
『ディスク作成』のアプリを起動し、不足しているディスクを作成する。
※ここで、DVD-R DL / DVD+R DL のいずれか 2枚が必要となる。
これで初めて、リカバリーディスクのセットが揃う。
・必要であれば、他のOSにする、リカバリーディスクにてリカバリーを実施する。
これが、このモデルの正しい手順です。

例えば、購入直後に『私はWindows 7は使わないので、いきなりWindows 10でリカバリーしちゃおう』という作業に入ると、この記事と同様に詰まってしまいます。
中古パソコンとして購入する場合は、これら手作りされたタカバリーディスクの一部も付属していることを確認しないと、大変な目に遭います。


後述ですが、最近の後継モデルでは、この『ドライバーズディスクなど』も添付品に切り替わっているという情報がありました。さすがにクレームが多かったんでしょうね。

当店では、どのような対処方法を勧めたか?

上記のように、メーカー指定の方法ではリカバリーすることが無理であることが判ったので、代わりの方法を提案しました。

幸い、このモデルはWindows 10ライセンスを有したものだったので、OS自体はクリーンインストールが可能で、ライセンスも適用されます。そして、富士通サポートでもドライバーのデータのほとんどが公開されていたので、パソコンとして動作させるのは問題なさそうでした。
DVD再生ソフトなど、どうしても再現できないところについては、フリーソフトなどで代替するという方法でいかがでしょうかと、お客様に打診し了解を頂けましたので、せっかく購入したパソコンを無駄にすることはありませんでした。

カタログや取り扱い説明書にある『※』の注釈が、ものすごく大事なんだという事を今回、改めて学び直しました。

リカバリーできないパソコンも、当店にご相談を

色々な理由から、本来のリカバリー手順でリカバリーできない場合でも、上記のように、色々なアイデアで乗り越えることが可能な場合があります。あきらめる前に当店にご相談ください。