永続版 Office 2021 製品に関する情報と注意点について

もう発表されないと思っていた永続版が発売されます

マイクロソフト社がMicrosoft 365製品を推奨しサブスクリプションでの販売に力を入れているのは皆様ご存じかと思います。現在販売されていてサポート期間となっている永続版Office 2016 および Office 2019 については、サポート終了日が2025/10/14 に統一されていることから、このあたりで永続版の扱いがなくなって、全てサブスクリプションでの販売に完全に置き替わるのだろうと予想されていました。
ところが、2021年の秋に永続版 Office 2021 が発売となった ので皆さんビックリした訳です。
PCメーカー各社、Windows 11対応予定のパソコンをこの時期に購入しようと計画されている方も多いと思いますが、Office製品との兼ね合いで若干トリックのある組み合わせになってますので、最後までお読み頂けますと幸いです。

発表の文章には気になる記述もあります

箇条書きになりますが、一部を記します。
永続版 Office 2021 には以下のような特色があります。
✅ Microsoft Office 2019 の後継製品。
✅ 法人向けに販売開始した、Microsoft Office LTSC 2021 がベースになっている製品。
お客様の都合でサブスクリプション版の Microsoft 365 (旧名称 Office 365) が利用できないユーザを対象とする製品。
✅ Windows版は Windows 10 と Windows 11 をサポートする。
✅ Mac版は、macOS Big Sur と macOS 10.15 (Catalina)、それに macOS 10.14 (Mojave) をサポートする。
更新プログラムによる機能追加は行われない。提供されるのは不具合やセキュリティーに介する問題を解決する更新に限られる。

サプスクリプションが利用できないユーザに提供される製品であると、特別な製品であると明記されていることと、機能の更新がされないと明言されていること。これはサポート終了期間が 2026/10/13 に設定された ことからも、以前の製品イメージで言うところの 延長サポート相当の 5年間 のみの保証となる可能性が高い。
お値段据え置き(もしくは微増)で、サポート期間が更に短縮されるという感じになりそうです。サブスクリプションで利用する際のコストと差を埋める働きもあるのかもしれません。

Office 2021 の追加機能 (抜粋)

当店で『ここは抑えておいた方がいいかな』と思う内容を抜粋して記します。
全容をもれなく知りたい方は、技術系ブログやマイクロソフト社の正式発表資料を参考にしてください。

気になる機能
✅ エクセル(Excel)に新しい関数が追加 になりました。これに伴い過去のバージョンのエクセルでも操作する場合に、文書の互換性に注意する必要が生じますので、Office 2019以前と Office 2021以降とで文書を区別する必要があります。社内などでバージョンが混在する環境になる方は注意が必要です。

Microsoft Search という新しい検索の機能が追加されます。

OpenDocument 1.3 に対応します。社外製品 Open Office や Libre Office などと文書を共有したり、やりとりしたりする機会がある方は、このODF 1.3に対応させておく ことが今後重要になってくると思います。

永続版 Office 2021 で気になること

コストの面で
・ソフトウェアの費用がOffice 2019と同等、もしくは少し値上がりする可能性があること。
・ソフトウェアのサポート期間が、2026/10/13 までと短く設定されており、日割り計算だとOffice 2019と同価格であっても、実質の値上げという状況です。
永続版しか利用できない環境の方は選択肢がありませんが、サブスクリプション版の購入ができる方や、同一名義で3台以上のパソコンにインストールする場合は、永続版より廉価なコストでオフィス製品を導入できる場合もあります。
ソフトウェアの更新を検討される場合は、おつきあいのある販売店さんに問い合わせて検討してください。

機能の面で
・ODF 1.3 (Open Document Format 1.3)をサポートすることで、他社スィート製品との間の文書互換性が、かなり高まることが期待されています。お仕事上でこのような他社製品の文書を扱うことが多い、また、そういう環境のところにデータを提供される場合にも、ODF 1.3対応は重要なキーポイントになります。

Office 2021の注意点として

・サポート期間は、5年になる感じなので (Office 2013以前のような、発売直後に購入したら10年サポートされるという前提で価格を見ないようにする必要があります。
・Office 2016/2019 と比較して、サポート期間は 1年しか長くありません。
(Office 2016/2019は、2025/10/14まで、Office 2021は、2026/10/13まで)
・エクセルには新関数が搭載されるので、過去のバージョンとやりとりがある場合は、利用できる関数が異なることを意識して文章を作成しないといけなくなります。
・Windows 11搭載PCを購入する予定がある方、(今はWindows 10だけど)将来Windows 11に移行(アップグレードも含む)することを予定している機種を利用されている方は、Office 2021 に切り替える必要があります。Office 2019以前は、全てWindows 10までのサポートとなっています。
・これから予想されるセール品情報で『Windows 10搭載ですが、Windows 11にアップグレード可能です。ただしOffice は2019が付属します。』という商品には注意が必要です。

参考リンク

LinkMicrosoft:Office 2021の新機能