HDMI規格 仕様・よくあるトラブルなどの情報

バージョンが沢山あって惑わされるHDMI規格

お客様からのご相談の中にも、HDMI関連のものが増えてきました。
もともと固有名称が多い規格なので、混乱することもありまして、当店の備忘録を兼ねるものとして、間違いそうな点やポイントをまとめます。規格そのものの解説は当方よりも適切なものがありますので、ぜひ検索してみてください。

コネクター形状が色々ある

HDMIと言っても、USB規格のようにさまざまな大きさのコネクターがあります。権利関係の確認が間に合わず、安全な素材が見つからなかったので、コネクター画像は省略してあります。

Type A

標準的なHDMIコネクター形状。HDMI type Aというのが正式名称。テレビに備わっているものは、Type A(タイプA)がほとんど。

Type C

勘違いしやすいコネクターの代表例。Type Aより少し小さめのコネクタです。HDMI自体に慣れていない方は、Type A と Type Cを混同している場合が多い。

Type D

TYpe Cより更に小さいコネクタ。小型の製品(ハンディーカムなど)では、このような小さいコネクタを装備している製品が多い。

Type E

車載用の機材(例えばカーナビ)で利用されることが多いコネクター。

ケーブルの選択・トラブル事例

Full HDまでなら、だいたい何でも繋がる

Full HD画質(1920 x 1080)の表示なら、普通のType Aケーブルでだいたい繋がります。
これから購入される場合で、Full HD以下でしか利用しない場合は、HDMI 1.4/1.4a 位の製品が費用体効果の点で良いと思います。むしろメーカー(による品質の善し悪し)を気にした方が良いと思います。

変形サイズのモニターを使う方は要注意

液晶サイズ 21:9 比率のモニターに対応するのが、HDMI 2.0以降なのでケーブルを選びます。

HDMI HEC利用時にはケーブルの確認を

HDMI Ethernetチャンネル(HDMI HEC) の機能を使って通信も行う場合、ケーブルもHDMI 1.4以降のものを選ぶ必要があります。1.3以前のケーブルでは未使用だった部分を使用するため利用できません。
※1.3以前のケーブルを所有している方は、この辺の事情には詳しいと思いますが、知らない方がどなたかから譲ってもらったケーブルとかを利用する場合に、ひっかかりやすいです。

HDCP接続で画面が暗くなる症状

著作権のあるコンテンツを表示している時に、画面が暗くなる症状があります。その症状の何割かはケーブル由来のトラブルです。ケーブル自体が長い場合や、ケーブル自体の品質が悪い、HDMIコネクター部分の損傷や断線などがあるとこのような症状が出やすいです。ケーブルを替えてみて症状が収まるか確かめることは有効だと思います。

解像度とリフレッシュレートは事前に調べること

パソコンなど高解像度、高リフレッシュレートな環境を構築する場合は、HDMI規格と対応するケーブルは事前調査して揃えてください。HDMI規格の世代によってどこまで対応できるかが変わります。
自宅で4K/8Kテレビなどを初めて設置する場合にも、これらの事情が絡んできますので、ちゃんと調べて購入しましょう。

ライセンスとオプション

HDMI規格を複雑怪奇なものにしている要素にオプションがあります。
HDMIのライセンスを管理する団体は、HDMI機能を搭載する製品に対してライセンスを発行します。定められた核となる機能が実装されていれば、HDMI 2.x対応と記載しても良いと許可するシステムになっていて、オプションとして定義されている機能については、オプション機能の実装や選択は、各メーカーに委ねる方針になっています。
簡単に言うと、HDMI 2.x に適合していますと謳われた製品が各社から販売されていて、ある会社の製品にはオプション扱いの機能A が採用されていなかったり、また同業他社の製品では、オプションである機能Aは採用されているものの、機能B が搭載されていなかったりと、同じHDMI 2.x 準拠と記載があっても、搭載されている機能に違いがあるということが、実際にあり得ます。

HDMI規格に詳しくない方は、機器とケーブルを同じ店舗で購入して、店員さんに確認してもらって購入するなど、安心できるような買い方を推奨します。

番外編

DP(Display Port)と勘違いされる事例

同じく接続規格にDP (Display Port)がありますが、HDMIとは異なる規格です。
コネクター形状も良くみると、形が違います。相互に変換できるケーブルなど製品がありますので、これらの製品同士をつなぎたい場合は、そういう変換ケーブルなどを挟み込む必要があります。

参考リンク

規格、バージョン、採用された機能などの解説は、ここが一番まとまっています。
LinkWikipedia (HDMIの項目)